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脚本家が古今東西の名作映画を分析
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・テーマ・・・戦?

・ログライン(簡易※1行以内)・・・・・・
七人の侍が、村のために野武士を倒す。

・ログライン(詳細)・・・
1幕
儀作(村長)と農民が、侍を招聘することを決める。

2幕 
<前半>
島田 勘兵衛や利吉・勝四郎が中心の仲間探し。
侍が、農民のために戦う?・・・
七人の侍、村に入るも距離を置く農民。
島田 勘兵衛が中心となり戦略を練る。
農民が落ち武者狩りをしていた事実発覚。ショックを受ける侍達。
勝四郎と志乃の身分を超えた許されざる恋。
etc。

<後半>
野武士の砦をせん滅。
村に攻めてくる野武士VS七人の侍&農民。
勝四郎と志乃結ばれる。周囲は動揺。
五郎兵衛、平八、久蔵、菊千代と侍が次々と死亡。
結果、見事に七人の侍&農民が戦に勝利。

3幕
なし。

・作風・・・

・目的・・・打倒、野武士!

・インサイト・インシデント・・・なし

・PP#1(キー・インシデント)とその時間・・・儀作(村長)と村民が、侍を招聘することを決める。(0:10頃)

・MPとその時間・・・なし

・PP#2とその時間・・・なし

・天・・・戦国時代

・地・・・農村

・人※2面性(共通と憧れ)・・・
七人の個性豊かな侍。

・良点・・・
脇役に至るまで、一人一人の細かなキャラ設定。
心の声を暗に示している巧みなセリフ回し。
役者のリアルな役作り、演技。
脇役の与作やエキストラのおばちゃん達に至るまで超リアルな演技。
黒澤の妥協なき演出力がなせる技。
菊千代の狂気・獰猛と愛嬌という二律背反的な性格を見事に演じている三船敏郎の
演技力。
隙あらば形振り構わず斬りにいく殺陣シーンも痛々しくリアリティーに溢れている。
主人公は七人もいるが、一人一人の細かい人間性を掘り下げている。

・悪点・・・
最初の10分で、野武士を倒すという目標設定をした後、残りの190分近くを使って
ひたすら目標に向かっての葛藤を描いている。
正直、長すぎて途中、しんどくなった。

・その他・・・
主人公は七人の侍。特定の人物ではない。
ハリウッド式三幕構成、起承転結に当てはまらない構成。
最初の10分程度の1幕以降ひたすら葛藤、葛藤、葛藤・・・・・・・。
また、1幕は通常、人物設定を行うのだが、そこに主人公の七人の侍が登場しない。
現在のように、脚本のセオリーが体系化されていない故に、
固定観念に囚われずに実現できた独特の構成。
最終的に勘兵衛が「負け戦」だったと述べるところがいい。戦っても得るものがないことも
あるという真理が作品のリアリティーをより強固なものに。
何度の見直したい映画の一つ。黒澤明、恐るべし。

・ランク(A~Z)・・・A

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プロフィール
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向田スガ子フィールド
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