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脚本家が古今東西の名作映画を分析
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・テーマ・・・世の中は素晴らしいか? 戦う価値はあるか?

・ログライン(簡易※1行以内)・・・・・・
サマセットとミルズが7つの大罪をもとに異常殺戮を繰り返す殺人犯を捕まえる。

・ログライン(詳細)・・・
1幕
GLUTTONY=暴食の罪で肥満男市死亡。サマセット&ミルズ捜査。
GREED=強欲の罪で弁護士死亡。床に血で【GREED】。
肥満男の部屋の絵の裏に【GLUTTONY】発見。
ミルズ家にてトレーシーを交えて談笑。
本格捜査へ。

2幕 
弁護士の部屋から指紋で【HELP ME】の文字発見。
指紋の張本人・怠惰男がSLOTH=怠惰の罪で半死半生。病院へ。
トレーシー妊娠。サマセットに相談。
FBIの助力により図書館保有の情報から犯人特定。マンションへ。
犯人と銃撃戦。ミルズ、なぜか撃たれず。
犯人の部屋に潜入。カメラマンが取ったミルズの写真発見!?
LUST=肉欲の罪で娼婦が死亡。
PRIDE=高慢の罪で女死亡。
警察署に犯人のジョンが出頭。

3幕
ジョン、残りの二人の死体の場所にミルズとサマセットを案内することに。
女房の生首が届けられる。
ミルズ、憤怒。サマセットの説得に応じることができジョンを撃ち殺す。

・目的・・・
連続殺人犯探し。

・インサイト・インシデントとその時間・・・肥満男謎の死。(0:10頃)

・PP#1(キー・インシデント)とその時間・・・肥満男の家の壁にGLUTTONYの文字。死んだ弁護士と共通性あり。同一犯?(0:22頃)

・MPとその時間・・・犯人と銃撃戦。ミルズ、なぜか撃たれず(1:00頃)

・PP#2とその時間・・・犯人のジョン、出頭(1:50頃)

・天・・・現在

・地・・・いろいろ

・人※2面性(共通と憧れ)・・・
サマセット・・・クール。無関心。世の中にがっかりしている。が、ミルズとの捜査を通じて、このままでいいのかという葛藤を抱える。
ミルズ・・・激情的性格。理想追求者。が、正反対の性格のサマセットのことは尊重。

・良点・・・
良し悪しは分からないが、めちゃんこ典型的な3幕構成。
「間」がよかった。セリフのないシーン(引っ張り方)がよかった。
リアル&グロな死体。
最後、ミルズがジョンを殺すかどうかの選択を迫られた時、苦悩の末、殺すことを選択。
ハッピーエンドで終わらせない。デヴィッド・フィンチャーらしい。

・悪点・・・
最後に出てくる死体が、ミルズの妻ってことがバレバレ。
ミルズ家でトレーシーと談笑するシーンや、なぜかトレーシーがサマセットに妊娠について相談するシーンなど伏線を張りたい気持ちは分かるが、いきなりの挿入が不自然過ぎる。
他の主要な登場人物を考えれば、おのずと最後の死体はトレーシー・・・時間的にも・・・
とにかくサスペンスなのに、全体的に平坦。裏切りに乏しかった。

・その他・・・
ヘミングウェイ「この世は素晴らしい。戦う価値はある」
サマセット「後の部分は賛成だ」
言い返れば、この世は素晴らしいなんて歯の浮くようなことは言えないが、ジョンのような己の価値観のみに支配された誇大妄想男がいきがるのは嫌・・・若干後ろ向きなデヴィッド・フィンチャーの世界観・哲学をよく表現している。

・ランク(A~Z)・・・C

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向田スガ子フィールド
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