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脚本家が古今東西の名作映画を分析
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・テーマ・・・勇気、異常犯罪

・ログライン(簡易※1行以内)・・・・・・
FBI訓練生のクラリスが人皮剥ぎのバッファロービルを追う。

・ログライン(詳細)・・・
1幕
レクターと面会。
モフェットの倉庫に潜入。男の顔発見(バッファロービルの元愛人)。
レクターがバッファロービル捜索の助けを申し出る。
バッファロービルが殺人&皮剥ぎ。

2幕 
発見した遺体の捜査。背中が2箇所、星型に皮膚が切り取られている。口からマユ。
上院議員の娘・キャサリンが誘拐。
レクター、上院議員と面談。
レクター脱走。
クラリス、殺されたビンメル宅訪問。ビルは皮でドレスを作っていることが判明。

3幕
ビンメルの友人と接触。
リップマン婦人宅訪問⇒ビルの家だった。※クロフォードはガセネタを掴まされて別宅へ。
クラリス、ビルを射殺。

・目的・・・
バッファロービルを捕まえる。

・インサイト・インシデントとその時間・・・レクターとの面会(OP)

・PP#1(キー・インシデント)とその時間・・・バッファロービル、女性を誘拐(0:35頃)

・MPとその時間・・・レクター逃亡(1:15頃)

・PP#2とその時間・・・クラリス、ビンメル宅にてビルが皮膚を裁縫してドレスを作っていることを突き止める(1:30頃)

・天・・・現在

・地・・・いろいろ

・人※2面性(共通と憧れ)・・・
クラリス・・・気丈、強いハート。反面、幼少の頃、子羊を抱いて逃亡するなど、弱い部分も。現時逃避願望あり?
レクター・・・????全てを俯瞰して見ている。社会の規律・慣習<己の論理。


・良点・・・
一応、3幕構成になっており安心して見ることができた。
サスペンス作品として印象的なシーンが多い。
例)
・レクターが逃亡するシーン※特に救急車でマスクを外すところ
・ビルのヘアヌード
・レクター×クラリスのトーク全般
・クロフォードがビル宅に入ったところもぬけの殻。同じ時、クラリスがビル宅を訪ねるシーン。
・レクターの掴みどころのなさ。底知れなさ。
エンタメ的要素が多分に盛り込まれているところ。
ジョディーフォスターが美しい。

・悪点・・・
本筋のビル探しとレクターは、ほとんで関係がなかったように思う。
結局は、クラレスがほぼ自力でビルの身元を突き止めたわけで・・・。
本作品で異彩を放っていたレクターが、本筋にあまり関係なかった・・・泣けるやん。
一つの映画の中に、二つの物語(レクターの話、ビル捜索の話)が詰まっているイメージ。
部分部分のシーンは良かったが、全体的なストーリーに問題があったか?
もったいない。

・その他・・・
客をハラハラドキドキさせる作品作りのよい手本。


・ランク(A~Z)・・・B

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・テーマ・・・世の中は素晴らしいか? 戦う価値はあるか?

・ログライン(簡易※1行以内)・・・・・・
サマセットとミルズが7つの大罪をもとに異常殺戮を繰り返す殺人犯を捕まえる。

・ログライン(詳細)・・・
1幕
GLUTTONY=暴食の罪で肥満男市死亡。サマセット&ミルズ捜査。
GREED=強欲の罪で弁護士死亡。床に血で【GREED】。
肥満男の部屋の絵の裏に【GLUTTONY】発見。
ミルズ家にてトレーシーを交えて談笑。
本格捜査へ。

2幕 
弁護士の部屋から指紋で【HELP ME】の文字発見。
指紋の張本人・怠惰男がSLOTH=怠惰の罪で半死半生。病院へ。
トレーシー妊娠。サマセットに相談。
FBIの助力により図書館保有の情報から犯人特定。マンションへ。
犯人と銃撃戦。ミルズ、なぜか撃たれず。
犯人の部屋に潜入。カメラマンが取ったミルズの写真発見!?
LUST=肉欲の罪で娼婦が死亡。
PRIDE=高慢の罪で女死亡。
警察署に犯人のジョンが出頭。

3幕
ジョン、残りの二人の死体の場所にミルズとサマセットを案内することに。
女房の生首が届けられる。
ミルズ、憤怒。サマセットの説得に応じることができジョンを撃ち殺す。

・目的・・・
連続殺人犯探し。

・インサイト・インシデントとその時間・・・肥満男謎の死。(0:10頃)

・PP#1(キー・インシデント)とその時間・・・肥満男の家の壁にGLUTTONYの文字。死んだ弁護士と共通性あり。同一犯?(0:22頃)

・MPとその時間・・・犯人と銃撃戦。ミルズ、なぜか撃たれず(1:00頃)

・PP#2とその時間・・・犯人のジョン、出頭(1:50頃)

・天・・・現在

・地・・・いろいろ

・人※2面性(共通と憧れ)・・・
サマセット・・・クール。無関心。世の中にがっかりしている。が、ミルズとの捜査を通じて、このままでいいのかという葛藤を抱える。
ミルズ・・・激情的性格。理想追求者。が、正反対の性格のサマセットのことは尊重。

・良点・・・
良し悪しは分からないが、めちゃんこ典型的な3幕構成。
「間」がよかった。セリフのないシーン(引っ張り方)がよかった。
リアル&グロな死体。
最後、ミルズがジョンを殺すかどうかの選択を迫られた時、苦悩の末、殺すことを選択。
ハッピーエンドで終わらせない。デヴィッド・フィンチャーらしい。

・悪点・・・
最後に出てくる死体が、ミルズの妻ってことがバレバレ。
ミルズ家でトレーシーと談笑するシーンや、なぜかトレーシーがサマセットに妊娠について相談するシーンなど伏線を張りたい気持ちは分かるが、いきなりの挿入が不自然過ぎる。
他の主要な登場人物を考えれば、おのずと最後の死体はトレーシー・・・時間的にも・・・
とにかくサスペンスなのに、全体的に平坦。裏切りに乏しかった。

・その他・・・
ヘミングウェイ「この世は素晴らしい。戦う価値はある」
サマセット「後の部分は賛成だ」
言い返れば、この世は素晴らしいなんて歯の浮くようなことは言えないが、ジョンのような己の価値観のみに支配された誇大妄想男がいきがるのは嫌・・・若干後ろ向きなデヴィッド・フィンチャーの世界観・哲学をよく表現している。

・ランク(A~Z)・・・C

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・テーマ・・・妄想、虚構、自己完結、現実逃避

・ログライン(簡易※1行以内)・・・・・・
OPでテディを殺した真相に迫っていく。妻を犯したレイプ犯・ジミーの殺害。

・ログライン(詳細)・・・
<時間軸>
・保険屋時代、顧客としてサミーと出会う。サミーに妻はいない。レナードはサミーを詐欺師と見破る。
・レイプ事件発生。犯人は2人、うち1人はレナードが浴室で射殺。もう一人はレナードを殴って逃亡。
この時点でレナードは記憶障害に。妻は死んでいない。担当刑事はテディ。
・インシュリン多量投与で妻死亡。殺したのはレナード。
・テディの協力でジョン・G殺害。しかし、そのことを忘れてしまう。この時、胸を指差す写真をテディが撮影。
・テディに利用されてジミーを殺害。テディから真相を聞かされ、犯人の追跡=自己の存在理由
が無くなることを恐れたレナードは、テディを犯人と暗示させる証拠を捏造。
・ナタリーの家でドッドの話を聞く。
ナタリーはドッドをレナードに始末させるため、芝居をうつ。
・ドッドと対決
・ナタリーからジョン・Gの情報をゲット。書類を受け取る。
・テディ殺害。ジミーを殺したせいでドッドに追われ、麻薬がらみの事件に巻き込まれるものの、
当初の目的であった、ゲームの阻害者テディを殺すことに成功。
・テディも死に、真実を語る者も居なくなった。これでゲームを阻害する要因は排除した。
これからは生きるために、偽物のジョン・Gを探しつづける。永遠に。

※3幕構成ではない。
逆さ時系列+ジミーを殺すまでの時系列(主にモーテル内でのMO)を交互に展開しつつ、
真相が明らかになっていく構成。
インパクトのあるシーンが抑揚なく続くため、明確に3幕に分けることができない。

・目的・・・
テディを殺しの真相追求、妻を犯したレイプ犯・ジミーの殺害。

・インサイト・インシデントとその時間・・・デディを殺害(OP)

・天・・・現在

・地・・・?

・人※2面性(共通と憧れ)・・・
http://virei.blog.so-net.ne.jp/2006-08-15 参照

・良点・・・
時系列(保険調査員時代の回想込み)+逆さ時系列、双方を用いた斬新な構成。
様々な内なる思惑を抱えた登場人物たちの衝突・葛藤。

・悪点・・・
難解すぎる。
この映画を理解できる人間が果たしてどれくらいいるのか?
アメリカ映画には珍しい、普遍性+商業的要素が抜け落ちた内的志向の強い作品。
内志向作品が悪いとは言わないが、この作品はその傾向が強すぎる。
緩急、抑揚がない。

・その他・・・
構成の勉強にはいいと思う。

・ランク(A~Z)・・・D

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・テーマ・・・?

・ログライン(簡易※1行以内)・・・・・・
5人の前科のある男達が、謎のギャング”カイザー・ソゼ”からの依頼を受けて
港に停泊している船を襲ってヤクと金を強奪しようとするも結局、謎の男
に殺される。

・ログライン(詳細)・・・
1幕
無実の罪でしょっ引かれる5人(回想)。
釈放(回想)。
港での事件の生き残りヴァーバルに根掘り葉掘り聞くクイヤン捜査官。
半死半生の生き残りの親父”カイザー・ソゼ”を連呼。
キートン新たな人生の再スタートを切るためにヤマに参加することを決意(回想)。

2幕 
密輸業者を乗せたタクシーを襲う。汚職警察官捕まる(回想)。
レッドフットの依頼で宝石商を襲撃。宝石はヘロインが出てくる(回想)。
コバヤシ登場。”カイザー・ソゼ”からの依頼で船に積んであるヤクを強奪するよう指示(回想)。
逃げたフェンスターが殺される(回想)。
コバヤシ殺しを画策⇒失敗(回想)。
コバヤシ、船襲撃を拒否するならば身内を殺すと脅す(回想)。
結局、船を襲撃(回想)。
ヴァーバル以外、全員死亡(回想)。

3幕
クイヤン捜査官「キートン=カイザー・ソゼ」
実はヴァーバル=カイザー・ソゼ?

・目的・・・
”カイザー・ソゼ”の存在に疑問を持ちながらも船を襲撃してヤクを強奪。

・インサイト・インシデントとその時間・・・キートンが謎の男に殺され燃やされる(0:03頃)

・PP#1(キー・インシデント)とその時間・・・ヴァーバルの説得に応じ、強盗に参加することを決意するキートン(0:30頃)

・MPとその時間・・・伝説のギャング”カイザー・ソゼ”からの依頼(0:50頃)

・PP#2とその時間・・・キートン、謎の男に殺される(1:30頃)

・天・・・現在

・地・・・カリフォルニア州

・人※2面性(共通と憧れ)・・・
キートン・・・弁護士の彼女のために悪徳作業から足を洗いたい。が、新たな人生を送るためには身銭が必要。
ヴァーバル・・・臆病、ダメ、キートンを慕っている。が、実は全て悪事を遂行させるための演技。

・良点・・・
カイザー・ソゼの正体が実はキートン。と思いきやヴァーバルというどんでん返しのオンパレードが見応えあり。てっきりキートンが黒幕と視聴者に完全に思わせてしまっているところに、脚本家の力量を感じる。
ヴァーバル×クイヤン捜査官、ベアの捜査(現在)と船舶襲撃に至る過程を(回想)を交互に交えて薦めていくやり方が見所。
ヴァーバル×クイヤン捜査官のシーンで、ヴァーバルがキートンを庇いながらも暗に”キートン=カイザー・ソゼ”という嘘をクイヤン捜査官に刷り込んでいる台詞回し・演出が秀逸。


・悪点・・・
展開が速い。106分の間に色々と詰め込みすぎ。
たまに置いてけぼりを食らうことがあった。

・その他・・・
総じて良い。
いい意味での裏切り、どんでん返しを勉強するためには、サスペンス&ミステリー映画は良い教材になる。

・ランク(A~Z)・・・B

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