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脚本家が古今東西の名作映画を分析
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・登場人物(職業、性格etc)  最重要!!!!!
※公・私の二面性を意識
※キーワードから発想
※極端なクセ・こだわりを掘り下げる
※弱点(共通性)があること
※敵役(善人であればなお良い。魅力的に!)
※キャラ変え(=成長)も考慮
※キャラの棲み分け「YES」「NO」「中立」「ボケ」等をしっかりと
※新しいキャラが重宝される!!! ※現在のドラマはキャラモノ重視の時代

リック・ブレイン・・・中立。掴みどころがなくミステリアスな雰囲気を醸し出している。しかし、その正体は弱者を救済している心優しき男。

・構成(シーケンス) 最重要!!!!!
1幕(発端)
※セットアップ

目的(=ドラマ上の欲求=モチベーション)……
※一直線にしたほうがよい
※3アクトを用いてストーリーにうねりをつける
※I.IやPP#1などで決定。例外も多い。

インサイティング・インシデント(=事件)……ドイツ人による殺害

日常から非日常へと向かい悪戦苦闘……ドイツ発行の通行証を預かる

PP#1(=キイ・インシデント)……ルノー署長「ラズローを逮捕する」
※事件がくる場合あり
※I.Iと逆。悪いことであれば良いこと、良いことであれば悪いことが起きる



2幕(葛藤=ドラマ)
※イラ・タイプorマヨタイプ
※いかにストーリーを止めているか
※いかに主人公を困らせているか
※伏線を引いておいて、PP#2に活かす
※障害は魅力的且つ主人公に危害を及ぼす(カタルシスを生むために)
※障害は約3つが目安

ウーガーテが捕まる
ラズローとイルザ来店
リックとイルザはパリで付き合っていた(回想)
パリー陥落(回想)
駅にイルザ現れず(回想)
リックとイルザ口論
シュトラッサー少佐、ルノー署長「ビザは出しまへん」
ウーガーテ死亡
イルザはラズローと結婚していた
闇市の元締め・フェラーリ「ビザ無理」
リックが通行証を持っていることを知るイルザ
ラズロー、リックにビザ発行依頼
⇒拒否

DP(どん底ポイント)……カフェでフランス国家の大合唱⇒シュトラッサー激怒⇒カフェの営業停止、ラズローのフランス人強制収容所送りorカサブランカで抹殺?
※PP#2のちょい前

PP#2……イルザ、リック互いに愛していることが発覚
※3幕の前後
※2幕内の伏線を交えて
※突破口。背中を押される
⇒立ち上がり、クライマックスへ



3幕(結末)
※いかに転がしているか

・クライマックス(目的達成・解決へ)……ラズローが通行証を買うときに逮捕するという計画をルノー署長に提案する⇒取引現場にてルノー署長に銃を向けて飛行機を手配させる⇒飛行場にてシュトラッサー少佐を銃殺するリック⇒ラズローとイルザが飛び立つ⇒ルノー「・・・・・・犯人を捜せ」
※最大に汗をかく
※あざといぐらい盛り上げる
※底から一気に上昇



・参考文献/サイト

・良点……
かっこいい名言の数々「ラズローや正義がそんなに大事か?」「戦い続けないと命がなくなる」「こんな俺だけど、狂った世界を黙って見過ごすわけにはいかねえ」等
主人公・リックの掴みどころのなさ。序盤・中盤と正体・素性を明らかにせず、最後に実はというパターンは「ショーシャンクの空に」に通じるところがある。
こんなかっこいい映画は見たことがない。
フランス国家の大合唱のシーンが秀逸。ナチにより迫害されてきた亡命者たちの怒り・悲しみ・憎悪といった様々な感情が一気に噴出している名シーン。

・悪点……
特に

・その他……

・ランク(A~Z)……AA

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・ターゲット層・・・

・予算・・・

・テーマ・・・親子愛

・プレミス・・・妻と別れた男が、子育てに奮闘、親権を巡って争う

・ログライン(=簡易ストーリー※1行以内)・・・
テッドはジョアンナと離婚。息子・ビリーの子育てに悪戦苦闘するが、次第に愛情・絆が深まっていく。そん中、ジョアンナが息子を欲しいと申し出てくる。親権を巡る裁判が始まり、結果的にテッドは敗れるのであった。

・ハコ(シーケンス)・・・
1幕(発端)
ジョアンナが離婚を申し出てくる
出て行くジョアンナ
朝食作り(フレンチトースト)がうまくいかない
副社長、ビリーを預けろ
会社の資料の上にジュースをこぼすビリー
ジョアンナからの手紙--「一人で生きていきます」

2幕(葛藤=ドラマ)
※イラ・タイプorマヨタイプ
※いかにストーリーを止めているかに注目
※いかに主人公を困らせているかに注目
飯を食べないビリー(イラ)
仕事で契約失敗(イラ)
テッド、ママが出て行ったのは自分のせい(型にはめようとした)
⇒テッドとビリーの距離か縮まる
同僚のフィリスと寝る
⇒フィリス、裸姿をビリーに見られる(イラ)
ビリー、怪我を負う(イラ)
⇒手術(イラ)
ジュリアンが現れて「息子を欲しい」(イラ)
テッド、弁護士に相談
会社をクビになる(イラ)
⇒裁判で不利に(イラ)
その日中に就職しなければ裁判で勝ち目無し(イラ)
⇒美術商の会社に就職決定
ジュリアン、ビリー再会。喜ぶビリー(イラ)

3幕(結末)
※いかに転がしているかに注目
裁判開始
⇒原告・ジュリアン、質問で言いたい放題
⇒テッド弁護士逆襲
被告・テッド、質問
テッド敗れる、上訴は断念
フレンチトースト作りがうまくなっているテッド
ジュリアン「ビリーの家はここ」「連れて行かない」

・プロットポイント
インサイティング・インシデントとその時間・・・ジョアンナが離婚を申し出てくる(OP)

PP#1(=キイ・インシデント)とその時間・・・ジョアンナからの手紙--「一人で生きていきます」(0:23頃)

・目的・・・ビリーの子育て

・MPとその時間・・・ジュリアンが現れて「息子を欲しい」(0:55頃)

・PP#2とその時間・・・ジュリアン、ビリー再会。喜ぶビリー(1:10頃)

・TPとその時間①・・テッド敗れる(1:35頃)
・TPとその時間②・・ジュリアン、ビリーを連れて行かない(1:42頃)

・天・・・不明

・地・・・アメリカのどこか

・主人公
テッド

キーワード・・・仕事人間

極端なクセ・こだわり・・・

弱点(共通点)・・・感情的になる、短気

公・・・仕事人間
私(住んでいる場所etc)・・・バラバラの家族

敵役(いい人?)・・・ジュリアン

・良点・・・
綺麗なスリーアクトストラクチャー。脚本の教科書。
2幕で規則正しく矢継ぎ早に葛藤の起きる。
3幕でフレンチトースト作りがうまくなっているシーンが泣ける。

・悪点・・・
パンチがない

・その他・・・
脚本の模範的作品

・ランク(A~Z)・・・B

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・テーマ・・・正義、怒り

・プレミス・・・平凡なタクシードライバーが正義の暗殺者となる

・ログライン(=簡易ストーリー※1行以内)・・・
平凡なタクシードライバーが正義のために児童買春を斡旋している一味を殺害

・ハコ(シーケンス)・・・
プロローグ
トラヴィス、タクシー会社に就職

本編(葛藤=ドラマ)
※イラ・タイプorマヨタイプ
※いかにストーリーを止めているかに注目
※いかに主人公を困らせているかに注目
トラヴィス、選挙事務所で働くベッツィーに一目ぼれ
⇒選挙事務所にボランティアとして働き始める
タクシーにパレンタインが乗る、応援している旨を伝える
ベッツィとポルノ映画を見に行こうとしたところ・・・
⇒ベッツィ、激怒。帰ってしまう(イラ)
⇒結局ふられる(イラ)
妻を殺したいという男性客を乗せる(イラ)
同僚に、会社をやめて何かやりたいと相談
⇒同僚「タクシードライバーに何ができるの?」(イラ)
銃をGET
トレーニングを積む
シークレットサービスの応募書類を送ってもらうことに
児童買春のアイリスを助けたい(イラ)
⇒スポーツとは付き合わないようアイリスを説得(イラ)
パレンタインの演説を聴くモヒカンのトラヴィス
⇒シークレットサービスに追いかけられる(イラ)
スポーツを殺す

エピローグ
※いかに転がしているかに注目
アイリスの両親に感謝される
トラヴィスとよりを戻したい?ベッツィー

・プロットポイント
インサイト・インシデントとその時間・・・なし

PP#1(=キー・インシデント)とその時間・・・なし

・目的・・・腐敗した世の中の正義の名の下に是正

・MPとその時間・・・銃をGET。トレーニングに励む(1:00頃)

・PP#2とその時間・・・なし

・TPとその時間・・・なし

・天・・・不明

・地・・・ニューヨーク

・主人公
トラヴィス

キーワード・・・正義、怒り

極端なクセ・こだわり・・・

弱点(共通点)・・・直接的過ぎる思考

公・・・キーワード参照
私(住んでいる場所etc)・・・ごくごく平凡なタクシードライバー

敵役(いい人?)・・・売春を斡旋するスポーツetc、腐りきった現在社会

・良点・・・
いわゆる「デニーロアプローチ」を堪能できる作品
徐々に、荒廃している世の中に対して、怒りが積み重なっていくトラヴィスの変化をうまく描いていると思う

・悪点・・・
平凡な人間でも社会に変革をもたらすことができるという勇気を与えてくれる映画ととるか、
正義原理主義者の危うさを表現した映画ととるか、
この映画の解釈は見る人にとって異なる。

・その他・・・

・ランク(A~Z)・・・C

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・テーマ・・・真実

・プレミス・・・12人の陪審員が討論の末に、殺人犯の少年を無罪に

・ログライン(=簡易ストーリー※1行以内)・・・
12人の陪審員が父親殺しの少年の評決を出すために討論。
一人の無罪を主張する理知的な男に触発されて、ほぼ有罪確定だった評決が最終的に無罪となる。

・ハコ(シーケンス)・・・
1幕(発端)
判事から説明を受ける陪審員達
投票 有罪:無罪=11:1
陪審員8番、人の生死がかかっているので討論すべき!
⇒討論開始

2幕(葛藤=ドラマ)
※イラ・タイプorマヨタイプ
※いかにストーリーを止めているかに注目
※いかに主人公を困らせているかに注目
殺害に使用されたナイフは別の人間のものである可能性あり
⇒全く同じナイフを出す陪審員の一人
投票 有罪:無罪=10:2 老人
休憩時間、陪審員8番に有罪を主張する陪審員達が嫌味を言う(イラ)
騒音で証言者のじいさんは少年の声が聞こえなかったはず
⇒じいさんは目立つために嘘をついている
投票 有罪:無罪=9:3
事件当日、12:10に殺害して一旦外出、3時にまた戻ってくる。何で?
投票 有罪:無罪=8:4
証言者のじいさんが部屋を出て逃げる少年の姿を確認するまでに要する時間を検証
⇒41秒。証言の15秒では無理
投票 有罪:無罪=6:6
少年のアリバイ、映画を見に行っていた
⇒何でタイトルを覚えていないの?(イラ)
父との身長差を考慮に入れると、下向きに刺せない
投票 有罪:無罪=4:8
向かいの建物から犯行を目撃した女性の鼻の両側に跡
⇒めがねをかけていなかったので犯行を見ることができなかったはず

3幕(結末)
※いかに転がしているかに注目
投票 有罪:無罪=1:11
有罪の陪審員、息子の写真を見た瞬間、無罪に回る。
評決は無罪に・・・

・プロットポイント
インサイト・インシデントとその時間・・・なし

PP#1(=キー・インシデント)とその時間・・・陪審員8番、人の生死がかかっているので討論すべき!(0:10頃)

・目的・・・建設的な意見を出し合って無罪の可能性を探る

・MPとその時間・・・投票 有罪:無罪=6:6(1:05頃)

・PP#2とその時間・・・向かいの建物から犯行を目撃した女性の鼻の両側に跡(1:25頃)

・TPとその時間①・・・なし

・天・・・不明

・地・・・不明

・主人公
陪審員8番

キーワード・・・建設的、論理的

極端なクセ・こだわり・・・キーワード参照

弱点(共通点)・・・

公・・・キーワード参照

私(住んでいる場所etc)・・・

敵役(いい人?)・・・有罪にまわっている陪審員達

・良点・・・
ワンシュチュエーションものの最高傑作。

・悪点・・・
スリーアクトストラクチャーではない。
ひたすら無罪の可能性を探りつづける話。

・その他・・・
今見ても斬新。
脚本命の作品。

・ランク(A~Z)・・・A

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・テーマ・・・全体主義社会、管理

・プレミス・・・治療によって暴力や性行為に生理的拒絶反応を示すようようになった青年が、本来の自分を取り戻す話。

・ログライン(=簡易ストーリー※1行以内)・・・
自由奔放な生活を送るアレックスが、殺人の罪で服役。治療によって暴力や性行為に生理的拒絶反応を示すようようになってしまい、本来の自分を取り戻そうとあがく。監禁されていた部屋から飛び降り病院に運ばれ徐々に回復していくのであった。

・ハコ(シーケンス)・・・
1幕(発端)
ホームレス、ビリーボーイ一味に暴行
作家宅に侵入
⇒婦人をレイプ
自宅でナンパした女二人と3P
グループが新体制に?
⇒アレックス、復習
⇒元の体制に?
金持ちが住む一軒家に潜入
⇒仲間の裏切りにあい警察に捕まる

2幕(葛藤=ドラマ)
※イラ・タイプorマヨタイプ
※いかにストーリーを止めているかに注目
※いかに主人公を困らせているかに注目
刑務所では模範囚として真面目に生活(イラ)
ルドヴィコ療法を受けることを志願(マヨ)
⇒内務大臣、アレックスを指名
ルドヴィコ治療センターへ移動
⇒瞬きせずに暴力シーンが盛り込まれた映画を見る(目撃している暴力と自分が置かれている状況をリンク)(イラ)
⇒吐き気(イラ)
⇒翌日以降も続く(イラ)
2週間後、デモンンストレーションで暴力を受けるアレックス(イラ)
⇒吐き気(イラ)
⇒靴を舐めて許しを請う(マヨ・イラ)
裸の女が登場
⇒乳を揉もうとすると(マヨ)
⇒やっぱり吐き気(イラ)⇒ルドヴィコ療法の成果が証明された
釈放
帰宅
⇒とまどう両親、煙たそうな下宿人・ジョー(イラ)
⇒家を出る(マヨ)
ホームレスたちに暴行を受ける(イラ)
⇒事態の収拾に入った警察官達が昔のグループの仲間だった(イラ)
⇒元・仲間たちから暴力を受ける(イラ)
作家の家に逃げる
⇒作家、アレックスの事を思い出す(イラ)
⇒作家、記者を呼ぶ(イラ)
⇒記者、質問攻め(イラ)
⇒睡眠薬?が効いたのか、アレックス気を失う(イラ)
※作者と記者は、反権力者。アレックスを利用して、ルドヴィコ療法を推進している現政府を非難しようとしていた
個室に監禁されたアレックス、階下から第9が流れてくる(イラ)
⇒飛び降り自殺を図る(マヨ・イラ)

3幕(結末)
※いかに転がしているかに注目
病院にて徐々に回復していくアレックス
※性行為・暴力に対して拒否反応が緩和されていく
内務大臣が訪問
⇒政府支持率の回復のために、ルドヴィコ療法から回復していることをアピールすることで同意
女とSEXするシーン、回復!!


・プロットポイント
インサイト・インシデントとその時間・・・ホームレス、ビリーボーイ一味に暴行(OP)

PP#1(=キー・インシデント)とその時間・・・仲間の裏切りにあい警察に捕まる(0:45頃)

・目的・・・刑務所及び治療による拒絶反応(全体主義、管理)からの脱却

・MPとその時間・・・ルドヴィコ療法終了(1:20頃)

・PP#2とその時間・・・飛び降り(2:00頃)

・TPとその時間①・・・ルドヴィコ療法から回復の兆候

・天・・・近未来

・地・・・不明

・主人公
アレックス

キーワード・・・自由奔放

極端なクセ・こだわり・・・行き過ぎたSEX・バイオレンス

弱点(共通点)・・・キーワード参照

公・・・キーワード参照
私(住んでいる場所etc)・・・抑圧的な環境や己の体に我慢の限界がきている

敵役(いい人?)・・・刑事、刑務所の警官、元仲間、作家

・良点・・・
スリーアクトストラクチャー。
3Pの早送りシーンや、ビリー一味との決闘シーン等、印象に残る。
クール、ニュー、ハイセンス!!!ファッション性高し
キューブリック=芸術家
下手したら暴力肯定と受け止められてしまうくらい、当時の社会的規範・倫理観の限界に挑んでいる。
今の作品では、こういう挑戦的作品をあまり見ることができない。

・悪点・・・
3幕の転がしがほとんどなかった

・その他・・・
今見ても斬新。
映画界に一石を投じた歴史的作品だと思う。

・ランク(A~Z)・・・A

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プロフィール
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向田スガ子フィールド
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